感性訴求
従来のプレゼンテーションはスライドの情報と論理的な組み立てで、理解を深めてもらおうとするものです。コンサルタントによるロジカル・プレゼンテーションが代表的な例です。これに対し、クリエイティブ・プレゼンテーションは相手の感性に訴えかけ、想像を促します。目に見える情報に、想像したものが加わると、訴求力が高くなります。スライドの情報だけに頼ろうとすると、情報過多になり、読みづらいばかりではなく、想像を妨げてしまいます。機能訴求ではなく、感性訴求のプレゼンテーションです。
共感・想像・自発
プレゼンテーションの内容を理解してもらうのは当然のこと。それだけでは相手に動いてもらえません。そこから先が重要なのです。まず、話したことに共感してもらえるかどうか、そして次は共感したことを自分のこととして想像してもらえるどうかです。頭で理解するだけではなく、腑に落ちた状態にならなければ、自分に引きつけて想像することはできません。豊富な表現力を使ったプレゼンテーションで、聞き手の共感と想像を生み出すことができれば、自らやってみようとする自発性が生まれます。聞き手の自発的な行動を生み出すことが、クリエイティブ・プレゼンテーションの目的です。
自分らしいスタイル
クリエイティブ・プレゼンテーションを実現する方法はひとつではありません。自らの感性、創造力、表現力を活かして、自分らしいスタイルを確立してこそ、他の人にはないプレゼンテーション力を身につけることができます。他の人にもできることではなく、自分だけができること、つまり自分のスイートスポットで訴求力を追求していきましょう。
ソニー、ベイン・アンド・カンパニー、ウォルト・ディズニー、AOLを経て、1999年に株式会社ライブドアを創業。2004年、米国Appleマーケティング担当バイスプレジデントに就任。「iPod mini」を大ヒットへと導く。同年、アップル日本法人代表取締役を兼務。スティーブ・ジョブズ氏主催のエグゼクティブ・ミーティングに参加していた唯一の日本人。2007年、リアルディアを設立し、創造的知性を高める五感教育プログラムを提供するREALDEAR INSTITUTEなどを運営。2011年にngi group代表執行役会長 兼 取締役に就任。
